「御忌(ぎょき)法要」は浄土宗の開祖法然上人のお命日であり、恩徳をしのぶ大切な法要です。 もともと「御忌」は天皇や皇后の忌日に用いられた尊称でしたが、法然上人のご命日のお勤めに限り「御忌」と呼ぶことを天皇から許されました。 法然上人は、 建暦2(1,212)年1月25日、御歳80歳でお亡くなりになられました。以降、浄土宗の寺院では毎年1月に「御忌法要」が行われましたが、大寒の頃であることから、現在は陽春に行うところが多くなっています。 浄土宗の教えはお念仏を称えることによって、老若男女またその身分に関係なく極楽浄土に往生することができるというものです。この教えにより、民衆はどんなに救われたことでしょうか。法然上人が比叡山の僧として修行されていた頃(平安時代後期~鎌倉時代)は、政権を争う内乱が相次ぎ、地震などの天災にも見舞われて飢餓や疫病がはびこり、人々は不安と混乱の中にいました。ところが当時の仏教は貴族のための宗教と化し、民衆は仏教と縁を結ぶことすら難しいことでした。そうした仏教に疑問を抱いていた法然上人は、膨大なお経の中から阿弥陀仏のご本願を見い出され「浄土宗」を開宗され、一心に「南無阿弥陀仏」とお念仏を称えれば、おろかさや罪深さから救われ、平等に往生できるという「専修(せんじゅ)念仏(ねんぶつ)」の教えを説かれました。
浄土宗では、南無阿弥陀仏〔=阿弥陀仏に帰依※(南無)します〕をお称えします。
「南無阿弥陀仏」は、阿弥陀さまから私たちへの呼びかけでもあります。苦しい時や悲しい時、その苦しみや悲しみを受け止め、悩んでいる自分を大事に生きて欲しいという慈悲深いメッセージです。その願いに応えて私たちも「南無阿弥陀仏」(阿弥陀様にお任せします)とお称えするのです。
※帰依…神仏を信じ、その力にたよること
法然上人のお命日「御忌さん」 皆様おそろいでご参詣ください。法然さまをしのびご先祖様のご供養をしましょう!